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お休み、私の『子供』たち。
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フォシールの独白。

本当に別世界だったのなら、
逆に苦しまなかったのかもしれない。

最初は、実感などなかった。

知らない機具の上に目覚めて、
知らない存在に迎えられた。

「おはよう、貴女を待ってたの」

そう言って、彼女は笑った。
私はどうやら遥か昔の存在。
『現在』は私が『生きて』いた頃よりも遠い遠い未来らしい。

目覚める前の記憶はとてもとても薄くて、
「別世界に来ちゃったと思えばいいよ」
その言葉を、そのまま受け取る事にした。


けれど。


様々な場所を巡るうちに、
ここは確かに私が居た世界なのだと思い知る。

薄れていても確かに思い出せる風景。
五感が感じる場所の空気、匂い。
ここは確かに私が居た世界なのだ。


そしてあんなに沢山居たはずの、
同族全てがとうに滅んだ世界なのだ。


……怖い。怖い、怖い、怖い。
私の居た世界なのに、
私には何も解らない。
私は何も知らない。
私は誰も知らない。
私を誰も知らない。


嗚呼、そうだ。

私は、今、独りなのだ。



************

「知っているのに知らない世界」への恐怖と孤独、という
軍の面子には到底理解できない感情の上にいるフォシール。
でも現代でできた仲間はとても優しいし、気も遣ってくれるから
皆の前では弱いところ見せたくなくて、役に立ちたくて
色々なこと覚えようと笑いながら頑張ってる。
でもちょっとした瞬間にすごい絶望感に襲われて、
気付かれないようなところで震えて泣いてるような。
多分リストは気付いてるんじゃないかな。
頭のいい子だから逆に何もフォローしないけど。

だからこそ『現代』で出来た『同族の』恋人様っていうのは
フォスにとってこれ以上ない救いだと思うのです。

パサードは多分、当時産まれてすぐ死んじゃったとか
そういう子じゃないかな。記憶全然無さそう。
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